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~ J.S.Bach Cello Suites 4,5,6 ~ Sax 清水靖晃 [Classic Favo.]

CELLO SUITES 4.5.6.

CELLO SUITES 4.5.6.

  • アーティスト: 清水靖晃, SAXOPHONETTES
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 1999/11/20
  • メディア: CD

資生堂のコマーシャルなんかで、以前使われてましたが…

前人未到、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲をサックスで吹き切る全曲集の完結版。

残念ながらSuite 1,2,3 は今Amazon にはないみたい。(プレで出ていたSuite 1 だけのはあるけど。)

資生堂のコマーシャルで使われていたのはSuite 1 やSuite 3 の何かだったと思うので、こちらのアルバムはその雰囲気しかたたえていませんが、聴けば「あああれね」となるはず。

バッハの単声楽器用無伴奏組曲はヴァイオリン、チェロなどありますがいずれもポリフォニック(多声)な音楽を単楽器で展開するために、ポリフォニーを暗示するような音の配列を巧みに駆使しつつ曲を進めていて、言ってみりゃポリフォニーの俳句みたいな楽しみを得ることが出来る訳ですが、ロマン派のしとたちはな~に勘違いしたか、足らない和声を補って、鍵盤曲やオーケストラにアレンジ、壮大な曲に仕立ててしまって、その辺の楽しみをぶち壊しているというか…無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番の終楽章パルティータをブゾーニが編曲したような奴ね。あとリストとかね。…まあ私はそっちはそっちで嫌いじゃないですけど。

で、ここに清水氏の新戦略が展開されるという訳。

まず弦楽器ではなく管楽器で行う点。これは弦楽器のように分散和音でポリフォニーを暗示する局面では不利な訳ですが、ひとつは超絶技巧で、そしてもうひとつは録音場所で、(部分的には多重録音もありですが)それを補う。

選ばれたロケーションは大谷石の採石場や釜石鉱山跡、イタリアのヴィラ(貴族の邸宅)のホールなど、残響音に富む場所たち。自ら十数か所ロケハンして適度な残響と、時には残響の濁り方なども吟味して選んだのだそうで。

管楽器独特の突き放したような音響、但し金管でないのである柔らかさを伴って、ですがね、それが豊かな残響でこだまする中にバッハのポリフォニーが浮かび上がる様は、ちょっと他にない体験ですね。

こういう古典再生のようで、オリジナリティ溢れるパフォーマンスを、しかもライブでなくパッケージで見事に展開した清水靖晃氏は、も~間違いなく天才ですね。大絶賛でございます。


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