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~ ZENPH RePerformance のグールドのバッハ ~ まあどうでしょ? [Classic Favo.]

グレン・グールド/バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年)の再創造~Zenph Re-Performance [Hybrid SACD]

グレン・グールド/バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年)の再創造~Zenph Re-Performance [Hybrid SACD]

  • アーティスト: グールド(グレン), バッハ
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2007/3/21
  • メディア: CD

まあ、グールドファンなら当然逝っときませんと…

といってもその存在を知ったのはつい最近。なるほど3月ってこた~ぁ、発売はGould 没後25周年ってことでんな。

これはノースカロライナ州の音楽系テクノロジ企業、ゼンフが開発したソフトウェアでグールドの最初のゴールドベルク変奏曲の金字塔的録音をデータ化し、それをYamaha のDisklavier Pro で再演したものを録音したものです。

まあゼンフのシステムの能力をアピールするスケープゴートにされた感も否めませんけど、再演自体は2006年にトロントのグールドスタジオでライブで行われ、放送もされたそうです。この録音はそれとは別録りだそうですが。実演では感動のあまり泣き出す人もいたそうです。

言ってみりゃ前世紀初めごろまで流行った、自動ピアノのデジタル版ですな。ただアッチは記録方式がアナログ(パンチカード、ロールなど)なので精妙な再演は出来なかったのが、より高精度に出来る様になった訳ですが。

とは言えこれはある種ヤマハのDisklavier の勝利とも…これがなくてはいくらソフトが優秀でもねぇ。( ̄ー+ ̄)

Disklavier って言えばかつてLyle Mays のSolo をご紹介しましたが、全然行き方は違いますが、レコーディングとパフォーマンスの関係を考える上ではどちらも有用でしょうか。

実際グールド自身がこのような演奏?再生?、つまり録音素材を聞き手の方が自由に組み合わせる、インタラクティブなパフォーマンスの可能性について盛んに主張していたのですから、コレはコレでありでしょうけど。(勿論グールドが想定していたのは基本的には録音素材ですがね、でもこういうのでも同じでしょう。)

グールドのボーカル(笑)が入っていないことは別にしても、ヤッパ違うなあという感じは少しあります。ゴールドベルクの旧録は比較的さらっと弾かれているのですが、それでもグールド独特の粘り感というものがチョト足りないというか、やたら精妙に再演されている分、細かいテイストの違いが反って気になるというか。

ゼンフの狙いは、例えば古い録音からさまざまな障害などを取り除いてオリジナルな演奏を抽出したり、別の機会、別の楽器で再演したらこうなるといったものを再創造出来る、ということらしいですが、そうなんかねぇ?まあそういうことにもなるんでしょうけど、こういうプロダクションの行き方だとタダ単に過去の記録(レコード)再生のコントロールの方法がもうひとつ出来ただけかな、ってなっちゃうよねぇ。

で、サウンドのクオリティに関して、あの輝かしいグールドゴールドベルク旧録の唯一の欠点である古いテクノロジが克服されたということを主張しているようですが、私自身は聴いてみて、正直言って従来のものと大して違わんな~と思ってるんですが。

…自分の体験で言えば例えば、エマヌエル・フォイアマンのドヴォルザークのチェロコンがリマスタリングで全然良い音になってびっくりしたことはありますが、それでもパフォーマンスの質的に違ってるとまでは感じられませんでしたからねぇ。もちろんリマスターのほうが聞きやすいので、旧マスター版CD は売っ払ったのは言うまでない。(笑) 

今回のは録音方式では2種類、普通(って言っていいのかあれですが)とバイノーラルの2種類。私のメインオーディオはBOSE のウェーブCD なので、バイノーラルのほうが反って聴きやすい感じでした。とはいえ、別に旧録のアナログレコードと比べてもサウンドの質的には大して長所は感じられませんなぁ。(擬似ステレオは…ありゃダメだけどね。w) もともと音色になど依存していない演奏なんですから。まあちょっとだけ良くなったっちゃそうだけど、演奏の本質が変わるほどじゃぁないなぁ。

インタラクティブ性に関して言えば、それは完全に使う側の問題で、みんながゼンフのシステムとDisklavier を持っていて、好き勝手が出来るんでなければ、ほとんど意味ないでしょうな。って点ではまあ、可能性は見えますけど、まだその点を遡上に載せる段階じゃまだ全然ないですな。今後にご期待って所でしょうか。

結論:ま、オモロイ点もあるけど、旧録のCD に取って代わるほどじゃないでしょうか。

アレデスネ、グールドのボーカルがどうしても耳障りな人には福音でしょうけど。w

(ということで、少なくともノイズキャンセラーとしては優秀かもね。)


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