♪ Beethoven Diabelli Variations ♪ Pf: Anatol Ugorski [Classic Favo.]
廃盤みたいねぇ…
作曲家で、ウィーンで音楽出版業を営んでいたディアベリ(ディアベルリ)が1819年に、自分の作ったワルツ主題で50人の作曲家に変奏曲を書いてもらい、それを出版しようと企画したのがそもそもの始まり。(なんかの記念じゃったかのぅ) 1824年出版、中には弱冠11歳のリストの初出版作品も…。
で、ベートーヴェンですが、最初乗り気じゃなかったのに、何を間違ったか急にやる気になって、33の変奏曲からなる変奏曲集を仕上げちまいましたんで。で、結局これは別に出版する羽目になったのですが。(50人の曲集の方では第一部扱いとしたそうな、第二部がその他かいな…?)
晩年では最後の3つのソナタ(30,31,32番 Opus 109,110,111)なんかでも見られるようにベートーヴェンの変奏技法への傾注は明らか。そこにもうひとつ、彼の変奏技法の集大成といっていい曲が奇しくも出現した次第。
ただね、なかなかオモロイ演奏はないのよねぇ…どうしても韜晦っぽくなるというか、上っ面というか…演奏時間も長い(50分は掛るね)しねぇ。
でもウゴルスキにかかると大変ヴィヴィッドになって結構でんな。性格変奏たっぷりの曲ですから。ある程度やりたい放題やってもその方が各曲の性格を浮き彫りにするので、当然オモロクなる訳でして…
録音エンジニアは彼のダイナミックレンジの広さについていくのに四苦八苦したらしい、って逸話が伝わっているほど。
で、この盤が彼のグラモフォン契約スタートになるのですが…ロシアから亡命同然で難民キャンプに押し込まれていて、作家Irene Discheの援助があって突如西側でメジャーデビュー、ひとつのシンデレラストーリーだった訳ですが…
廃盤とはねぇ、この銘盤が…
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