♪ 吉松隆:プレイアデス舞曲集 ♪ Pf: 田部京子 [Classic Favo.]
吉松隆氏は、いわゆるおどろおどろしい現代音楽とは決別したネオクラシックの旗手として語られることが多いですし、この曲集に関しても、女性受けするタイトル付けとか、ソフトなイメージで語られることが多いですがね。
でもむしろ前衛にあらずんば現代音楽にあらず、といった風潮にもなびかず自分の芯を通している訳で実は骨太。演奏者の田部京子氏も女流として語るには骨太な演奏っぷりですから、適役と申していいでしょう。
さてプレイアデス曲集ですが、ご本人もバッハのインヴェンションに触発されて書き始めたと語っておられるそうですし、グリーグの叙情小曲集と比されることも多いですが…確かに吉松氏の作曲家としての道程を示す一里塚的な作品にもなっていくのでしょうか。どうもまだ書き続けていらっしゃるようでして。
田部さんの曲集CD もこれが第2弾。第1弾はこちら。
プレイアデス=すばるの7つ星にかけて七つの音による七曲で組曲にするという、本人も言及している曲構造、旋法的旋律、インヴェンション風対位法などはよく指摘されているのですが…もうひとつ特徴付けているのは変拍子。ほとんどの曲が単調な拍子ではなく、複合拍子で、ともするとギクシャクしがちなのですが、逆にそのギクシャク感をも利用して音楽を進め、あれぇ、どこにいるのかな今…いつの間にやら終わってるの~という、ネコだましに合ったような感覚、これは聴く方だけでなく弾く方もはまるでしょうねぇ。
コレ聴いて吉松隆氏は正に日本を代表する大作曲家になると確信した次第。
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